銘店“石屋”シリーズ  有限会社笹川石材店(栃木県佐野市)

お客様にとってプラスになると思うことは積極的に取り入れていきます。

昭和14年に創業し、現在は三代目の笹川敏男さんと、ご子息で四代目にあたる晃平さんの親子で石材業を営む有限会社笹川石材店。今回はお二人に、仕事のやりがい・目標からプライベートのことまで、様々なことをおうかがいしました。

写真左から笹川晃平さん(平成10年生まれ)、笹川敏男さん(昭和48年生まれ)

―まずは会社の歴史から教えてください。

敏男 創業は昭和14年で、私の祖父が始めた会社です。祖父は最初に群馬の石屋さんで修業しまして、それから、もともと今の場所にあった石屋さんで働いていたのですが、そこが会社を辞めることになったので、そのまま譲り受けることになったのだそうです。

同社では先代の時代からお客様情報をしっかりと保管し、アフターケアも大切にしている。

―敏男さんご自身は、いつ頃から会社を手伝うようになったのですか?

敏男 仕事自体は、それこそ小学生の頃から現場についていって見ていましたが、ちょっとしたアルバイト感覚で手伝うようになったのは高校生の頃ですね。それで高校を卒業してから、本格的に働き出したという感じです。
そして28歳くらいの頃に3Dで墓石を設計できるCADと文字彫刻に使うためのソフトを導入し、その頃から父にかわって営業なども自分がやるようになりました。

―当時は墓石用CADや文字彫刻ソフトもまだあまり業界内で広まっていなかったのではないでしょうか?

敏男 そうですね。カラーの墓石用CADが出始めた時期でしたので、わりと早かったのではないでしょうか。あと、見積書の作成も手書きからパソコンに切り替えたり、カード決済を始めたのも業界では早い方だったと思います。
こういうのはすべて、お客様の利便性を考えてのこと。普段から「自分がお客様だったらどうだろう?」という視点で、「良いな」と思ったことは積極的に取り入れるようにしています。

―続きまして、現在の主な仕事内容について教えてください。

敏男 墓石と石工事を並行してやっていますが、今はどちらかというと墓石が中心。墓石の製品自体は卸商社さんから仕入れていますけど、図面を作ったり、墓石に刻む文字の彫刻などはウチの工場で行なっています。ちなみにCADの図面は、お客様のご要望をお聞きしながら、お客様が見ている目の前で、作らせてもらうこともあります。

お墓への文字彫刻加工をする敏男さん

―では、ご子息の晃平さんにうかがいます。会社を継ごうと思ったきっかけは?

昇平 僕も中学生くらいから現場に連れて行ってもらっていて、「いずれは継がないといけないな」とはずっと思っていました。それで大学を出てから、少しでもお墓に関わる仕事をしようと思って、最初はお墓のポータルサイトの運営などを行なっている会社に就職しました。
そこで営業などの経験を積ませていただき、令和3年から父のもとで働かせていただいています。今は現場の工事を手伝ったり、戒名の彫刻をしたり。あと、営業は自分が任せてもらえる機会も増えてきました。

―ではここでパーソナルな面についても伺います。お二人の趣味を教えてください。

敏男 子どもたちが小さい頃は、ほぼ毎週のように家族でキャンプに行っていましたね。仕事が忙しい時期は、朝にキャンプ場に行ってテントを張ってから、自分だけ帰ってきて仕事を終わらせ、それからまたキャンプ場に戻って食事を作ったり。キャンプグッズもけっこう揃えましたよ。
最近は、よく海釣りにも行っています。自然の中に身を置くことでリラックスでき、仕事への英気を養えるとても充実した時間となっています。

昇平 僕は映像関係が好きで、ときどき友達の結婚式用のムービーや知り合いのバンドのミュージックビデオなどを作っています。
あと、子どもの頃から続けているのはボーイスカウト。今は中学生以上の団員を指導しています。ボーイスカウトは夜通し歩いたりすることもありますので、あきらめずにやり続けることの大切さとか、精神的なところですごく鍛えられたと思います。

―お仕事の話に戻りまして、石屋さんとしてのやりがいは、どのような点でしょうか?

敏男 この仕事は一つとして同じ現場はありません。その分だけ、毎回の現場で不安に思うこともあるのですが、出来上がったときの達成感は格別ですね。

昇平 僕はお客様と接している時にやりがいを感じます。もともと人と話すのが好きですし、「そういう考え方があるんだな」と教えられることもあったりして。そしてなんといっても、完成した時にとても喜んでいただけるのが一番うれしいです。

―では最後に、今後の展望をお聞かせください。

昇平 今は父に作ってもらったCAD図面を持って営業に行くことが多いので、CAD図面なども自分で作れるようになりたいです。あと、父は現場仕事が好きな人ですから、それ以外のPC関係の仕事なども自分が任せてもらえるようになっていければと考えています。  それに加工作業も、まだ磨きの技術がなかったり、文字彫刻も簡単なものしかできなかったりしますので、早く現場でも力になれるように腕を上げ、父から認められるようになりたいです。

―晃平さんにとって、お父さんはどのような存在ですか?

昇平 祖父が亡くなってから、仲間の皆さんに手伝ってもらうことはありつつも、一人でずっと会社を守ってきた。そこは素直にすごいと思いますし、父は基本的にできない仕事がない。自分もどれくらいの時間がかかるのかわかりませんが、早く追いつきたいと思っています。

敏男 数年前に亡くなった父も、晃平が会社を継いでくれたことはすごく喜んでくれていると思います。ただし親としては、今後のことを考えると心配な面があるのも事実。石材業をメインとしながらも、別の分野への事業展開も検討していきたいと思っています。
これからも「お客様にとって最高のサービスとは何か?」を追求していき、良いと思ったことは積極的に取り入れていきたい。何より、お客様のお役に立てる会社であり続けるように努力していきたいと思っています。

有限会社 笹川石材店

有限会社笹川石材店は地域のまちづくりにも積極的に貢献。佐野市のご当地グルメである「佐野黒から揚げ」の合同会社に出資したり、佐野市の青年会議所や商工会議所で活動するなど。

所在地:栃木県佐野市赤坂町236
TEL:0120-148-719
ホームページ:https://www.sasagawasekizai.com

有限会社笹川石材店のホームページ

いしマガ取材メモ

近年はホームページからの問い合わせが増えている中で、同社でお墓を建立されたお客さまからの紹介・口コミも多いという笹川石材店。これはまさに同社がいかに多くのお客さまから信頼されているかの証ともいえるでしょう。
また、父の敏男さんは時代の流れに敏感で、良いと思ったことはすぐに取り入れていくタイプ。ご子息の晃平さんも、趣味の映像制作はかなりのハイクオリティ。いろいろなことに積極的にチャレンジしていくお二人ですから、お墓づくりにおいても、今の時代にマッチした最適なアドバイス・提案がいただけるに違いありません。どこでお墓づくりをお願いしようかと迷っている方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。