銘店“石屋”シリーズ  有限会社上光石材工業(北海道江別市)

提案からアフターサービスまで、一切、手を抜きません

北海道石狩平野のほぼ中央、札幌市の東に隣接する江別市に店舗を構えている有限会社上光石材工業は、創業からおよそ50年を数える石材店です。同社の代表取締役を務める伊藤裕己さんに、誠心誠意をこめた提案や丁寧なお墓の建て込み作業、その後のアフターサービスにいたるまで、お墓づくりに対するこだわりや姿勢などをうかがいました。

伊藤裕己(いとうひろみ)さん

北海道の中部に位置する三笠市の出身。
「江別環境サービス協同組合」としての活動にも力を入れており、年に数回のペースで「お墓何でも相談会」を開催しています。
近年の趣味は冬のサクラマス釣り。魚を食べるのも好きで、釣った魚を自分でさばいて家族などに振る舞っているそうです。

――まずは創業からこれまでの歩みについて聞かせてください。

伊藤 創業は昭和47年。私自身は先代の甥っ子にあたりまして、ここで働き始めたのは創業から10年後の昭和57年。最初のうちは現場に行ったり、工場に行って石を切ったり、全部の仕事を経験しながら、いろいろなことを勉強していきました。

今でこそ製品を仕入れるようになっていますが、当時は原石を仕入れて加工まで一通りのことを自社でやっていましたから、今でもそのときの工場と機械は残っています。ですから細かい加工や磨き直しなどはもちろん、地震などの自然災害でお墓が欠けてしまった場合でも、多くの費用がかかる交換ではなく、修理などで対応できます。もちろん、ご要望があれば原石からお墓をつくっていくこともできますし、そういった技術力は当社の強みの一つだと思います。

 

――現在の主な仕事内容を教えてください。

伊藤 お墓を建てる場所は、会社のすぐ近くにある市営墓地が中心です。創業から40年ほどのあいだに、だいたい1700件から1800件ほどを手がけてきました。あとはお客様からのご紹介などがあると、札幌市やその近郊まで出向くこともあります。そういったところも含めると、これまでに携わってきたお墓は2000基を超えていると思います。

また、その市営墓地に関しては、10年ほど前に江別市からの要請を受けて「江別環境サービス協同組合」を設立し、私は副理事長と事務局を務めさせていただいています。この組合は、それまで任意団体だった江別石材組合を法人化して組織再編したもの。行政に認められた団体ということで、お客様からの信用度を高めることにもつながりました。現在は、市営墓地内のお墓の修理や一部の草刈り、環境整備などのほか、墓地内にある合同墓の管理なども行なっています。

 

――お客様へのサービス面で心がけていることはなんですか?

伊藤 誠心誠意を持って、お客様一人ひとりのご要望に寄り添っていくことを大切にしています。お客様から相談を受けたときは、まず和型か洋型か、石の色は白か黒か、あとはご予算などを詳しくお聞きしたうえで、当社のこれまでの施工例をお見せしながらご提案させていただきます。お見積もりと合わせ、CADを使って2~3種類ほどのカラー図面を作成し、お客様のご要望をおうかがいしながら図面・設計を仕上げていきます。もちろん図面や設計の書き直しは無料で対応していますのでご安心ください。

そして建て込みと字彫りは自社で対応。現在は50代になるベテランの職人が2名いるのですが、どちらも「なにもそこまでやらなくてもいいんじゃないか」と思うくらいに仕事が丁寧。一切、手を抜きませんから、本当に頑丈なお墓を建てることができています。

さらにアフターサービスを徹底しているのも、当社ならではのこだわりです。全部で4つの保証がありまして、最後にそれらの保証書と、あとは基礎工事と建て込み工事の写真、完成写真などを合わせてお客様にお渡ししています。

展示場内の様子

――保証について、もう少し詳しく教えていただけますか?

伊藤 まず当社が加盟している業界団体「安心石材店の会」において、私ども小売店をはじめ、製造メーカーと商社の計3社によるトリプル保証があります。さらに当社独自で、それらに加えて15年の施工保証期間を設定。もしも期間内にひびが入ったり傾いてしまったときなどは、無償で責任を持って対応いたします。もっとも、これまで15年以内にそのようなことが起きたケースはわずか2、3件ほど。あくまでも万が一に備えるための保証です。

また、当社は年一度のアフターサービスを提供する「上光 光彩会」も立ち上げています。これは毎年お客様にご案内のお手紙を出して、ご依頼があればお墓の掃除や点検などを行なうというもの。掃除前と後の写真を撮って郵送し、もしも傷んでいるところなどがあったらご報告しています。このサービスによって、お墓のちょっとした不具合なども見つかりやすく、お客様に、より長く、より安心してお墓をお使いいただける取り組みにもなっています。

 

――最後に今後の目標とお客様へのメッセージをお聞かせください。

伊藤 この仕事は、お客様から感謝していただけることの達成感が一番のやりがい。これからも、きっちりとしたごまかしのない仕事を通して、お客様の期待にお応えしていきたいと思っています。

また、当社は札幌の工務店とも取引がありまして、建築関係のリフォームなども手がけています。一般住宅の玄関アプローチなど、お墓以外でも石に関するご用命がありましたら、お問い合わせいただけるとうれしいです。

あとは、社内に常設の屋内展示場を持っているのも当社の強み。どんなお墓を建てようか迷っていらっしゃる方がいましたら、ぜひお気軽にご見学へおいでください。ご予算に合わせた工夫など、できる限りのご提案をさせていただきます。

伊藤裕己さんと事務を担当している奥様の伊藤和恵さん。

有限会社上光石材工業


所在地:北海道江別市牧場町1番地21
TEL:011-383-1232 FAX:011-383-1271

いしマガ取材メモ

江別市は札幌のベッドタウンとしても発展し、現在の人口は12万人ほど。上光石材工業は、そんな街で地域密着型の石材店として多くの顧客から高い信頼を得ています。その理由の一端は、今回のインタビューでも語っていただいたとおり、仕事に対する真摯な姿勢にあります。
なお、近年は洋型のお墓を建立するケースが9割に近いそうなので、洋型墓石を希望する方は豊富な経験を活かした適切なアドバイスが受けられると思います。また、稲田石や万成石などの国産石材にも対応可能とのこと。国産の石でお墓を建てたい方も、ぜひ同社へ相談してみてはいかがでしょう。

有限会社上光石材工業では、洋型墓石の建立実績を数多く持っている。