男鹿石(おがいし)
◆ 採掘地・丁場
秋田県男鹿半島の寒風山
(グレー系)
(赤系)
◆ 主な特徴
男鹿半島の寒風山にて産出される淡灰褐色の安山岩。墓石や土木材としても使用されますが、庭石としての形姿もよく、評価されています。色は赤系とグレー系などがあります。
◆ 男鹿石の有名な使用例
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男鹿石の岩質データ
分類:安山岩
見掛け比重:2.6(t/m3)
吸水率:0.14%
圧縮強度:120(N/mm2)
秋田県産「男鹿石」
落ち着きと温かみを感じさせる独自の魅力
男鹿石はその名の通り秋田県の男鹿半島にある寒風山で採掘されている石材で、地元では昔から寒風石の名で親しまれてもいる。
男鹿石は輝石安山岩に分類され、みかげ石ほど硬くなく、凝灰岩ほど軟らかくない。色は赤系やグレー系などばらつきがあり、その自然ならではの変化に富んだ色合いが、石積み施工した時に独特の趣を醸し出している。
江戸時代、寒風石の採掘・加工を手がけた石工・石川忠右衛門の後、本格的な採掘が始められたという男鹿石は、墓石材としても多く使われていたようで、現在でも磨いて床面に張られることもあるそうだ。
男鹿石の魅力は割肌を活かした乱積みや小端積みで用いることで、より一層引き出されるような気がする。あえて整えすぎない施工のほうが、その自然な風合い、落ち着きと温かみを感じさせる男鹿石ならではの魅力がより引き出されるからではないかと思われる。