山田真喜子の「イタリア石風景」Vol.4~マルコ・ポーロ国際空港(エントランスホール)のインテリア「石壁と水」~

毎日十万人は行き来する島の街“ヴェネツィア”。空の玄関口「マルコ・ポーロ国際空港」は北東イタリアのハブ空港としての役割が期待される場所でもあり、毎日数万人が利用している。この空港の一角にある石壁型水流インテリアは拡張工事の成功例といえるものではないだろうか。

左右のエントランスに横幅約24メートル×高さ4.5メートルの石壁インテリア(小型は横幅10.4メートル×高さ4.5メートル)で、下方から光線の配置もある循環型噴水石壁となっており、石材は全てイタリア産のものが使用されている。

自然の美しさを楽しめる透明感のある空間は、空港を行き交う人々にさわやかな感情を呼び起こす憩いの場となっている。この空港は、イタリアの観光地としても特異な海の都・ヴェネツィアの街へと向かうための水上船乗り場も備えており、石壁を流れる水が街の爽快なイメージとも相まっているように感じられる。

インテリアスペースの前にベンチ状の椅子が並んでおり、ここで石壁と水の美しさを堪能していると、慌ただしく動いている空港の騒音を忘れさせてくれる。石造には人々にある種の安心感を与えてくれる効果もあるのではないだろうか。

上階には横型の石段幅15mのインテリアスペースとなっている

取材協力:TecnoMarmi(テクノマルミ社)他